病院は敵?

助産院には自然派な妊婦さんがよく来院されるのですが、

自然な生活をして、食生活、日用品にも気を使い、ナチャラルな生活をしている。

そんな妊婦さんは、自分の身体のことをよく知っているし、自分の身体に入れるものにも関心があって、

私も勉強させてもらうくらい「すごいな」と思うことが多いのですが、


たまに、そんな妊婦さんの中に、「病院(医療)を敵」のように思っている方がいます。

そして、運命の悪戯か、

そんな妊婦さんに限って、病院にお世話になることも・・・・。


私は、10年以上周産期センターというところで働いてきました。

いわば、医療の最先端!ザ・医療!です。

そんな私が、今は、自然派の方を相手にすることが多い助産院を開院し、働いているのですが、

そんな私が思うのは、

「病院と助産院では役割が違う」

ということです。

最近では予防医学という言葉が流行っていますが、

予防医学も 家庭と病院での役割の違いを言っているのだと思います。

病院は・・・病気にかかった人・症状がある人・診断された人 が手術や投薬で治療をする

家庭・・・病気にかからないように日常生活を整える 生活習慣を見直す

そう考えると、

助産院は、スムーズにお産が進むように、妊娠中から体のメンテナンスを含め、日常生活を見直しながら妊婦生活を行い、そのままトラブルなければ、助産院で出産する。

やはり、赤ちゃんが苦しいサインが出ていたり、お母さんの血液データが悪かったり、血圧が上がったり、そんなことがあれば、赤ちゃんもお母さんも守れないので、

病院で管理、出産するようにお伝えします。


冷静に考えれば、当たり前のことなのですが、

助産院で出産することを夢見ていた妊婦さんの中には、

「どうしても助産院で出産したい」という妊婦さんの想いが先行してしまい、

お腹の赤ちゃんの状態が悪かったり、お母さんの身体が限界ということに、全く目が向かなくなってしまう妊婦さんがいます。

「医者はああ言っているけど、きっとまだ大丈夫なはず。もっと頑張れるはず。」と。

そんな妊婦さんに会うと

何が大事なのか?

と聞きたくなります。

助産院での出産が大事?

赤ちゃんの命が大事?

お母さんの命が大事?

一目瞭然です。命が一番大事です。助産院で産むことは、命を守ることに比べれば大した重要度ではありません。

お母さんと、赤ちゃんの命を守るために、私たち助産師は、いざとなれば躊躇なく医療を選びます。

それが責任と思っています。

その想いを知って欲しいな〜と思います。

めばえ助産院

長野県松本市岡田松岡の自宅でオープンした地域密着型の助産院です

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