満月のお産

少し前になりますが、3月7日の満月の夜に 自宅出産された妊婦さんがいました。

助産院にお産のお手伝いに行くようになってもうすぐ1年になりますが、

なんと、初めての自宅出産のお手伝いでした。

お産担当の助産師さんから電話が来たのが20時くらい。

「もう2〜3分間隔で陣痛きているから、青木さんもすぐに向かってくれる?」

私の自宅からは少し離れたお家の妊婦さんだったので、

満月の月の光に照らされながら、

車の運転をして40分。

「間に合うかな?もう生まれてしまっているかもしれない。」

そんな焦った気持ちを持ちながら妊婦さんの自宅へ向かいました。

妊婦さんのお家について急いでお家に上がりましたが、

まだ赤ちゃんは産まれていませんでした。

陣痛の痛みに耐えながら、自分で腰を動かしたり、伸びをしたり、しゃがんだり、

助産師が口出すのではなく、妊婦さんが自分の身体を向き合い、好きな姿勢で過ごす、

妊婦さん主導の出産。

傍では、2人の小さいお兄ちゃんたちが、ソワソワしながら電車のおもちゃで遊んでる。

そのお兄ちゃんたちの面倒を見ている、お隣のお家のおばちゃん。

パパはソワソワ、バスタオル持ってきたり、カメラの位置を確認したり。

なんとも日常的な感じ。

妊婦さん、そろそろ声が出るようになってきた。お産が近い!!

赤ちゃんのお洋服や、吸引など、一通りのものを準備。

隣のおばちゃんの娘さん(小4位)もきて、

みんなで赤ちゃんが出てくるところを見届ける。

それはそれは、ツルッと安産。

最後はパパもお手伝いして、元気な女の子が誕生。

私の感想

「こんなお産見たことない」

なんて、自然で、日常的で、

特別だけど、特別じゃなくって、

家族囲まれて、

暖かくって、

とにかく今まで何100人ものお産に関わってきたのに、

こんなに感動したお産はないと思うほどでした。

普段から、食事・生活にとても気を遣われている妊婦さん。

身体も、自然のサイクルにピッタリとハマり、

満月にほとんど出血もない出産。

出産後は、みんなで臍の緒触ってみたり、

ツンツンて触ってみたり、

やってきや赤ちゃんに興味津々。

隣のおばちゃんが作ってきたおにぎりを

みんなで食べて、(私たちも)

病院では味わえない出産。

体験させていただき本当に感謝でした。

きっと、これが、人間本来の姿なのかな?

自然の中で生きる人間はやっぱり強いな!

と感じる瞬間でした。

助産師として、もっともっと、たくさんの人に身体作りについて伝えていきたい!

そう思いました。

めばえ助産院

長野県松本市岡田松岡の自宅でオープンした地域密着型の助産院です

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